あのころ、あったもの、なかったもの。
あのころのように。
自分の誕生日の祝いかた。
出番だよ、みんな。
水と土の音。
今、ミニトマトとキュウリの苗を育てています。
苗と言っても、種をまくのが遅くて、
まだ指一本分くらいのサイズなので、
「芽」と言ったほうが正確かもしれません。
小さな植木鉢に入れて、庭に置いてあるのですが、
今日はうっかり、水やりもせずに
炎天下のコンクリートの上に出しっぱなしにしてしまいました…!
夜になってからそのことに気づき、あわててジョウロを持って庭先へ。
すっかりしおれているのでは…とヒヤヒヤしましたが…
…だいじょうぶ、
土はさすがに乾いていましたが、
キュウリもトマトも、しゃんと背筋をのばして立ってくれていました。
おお、みんな強い!
待たせてごめんね~!!
と、たっぷり水をかけると…
土が、音をたてて、水を吸い込んでいきました。
土が水を吸い込む音を、はじめて聞きました。
マグカップとそんなに変わらないくらいの、小さな鉢なのに、
「さあああ…しとしとしと…」
と、おだやかな雨が降っているような音がするのです。
その澄んだ音に混じって、こんな音も聞こえました。
「キュウプクプク、キュウプクク…」
かわいくてちょっと不思議な音。
これも、土がたてる音なのか、
それとも、もしかして…
野菜たちが水を吸う音…?!
どちらにしても、
こんな小さな鉢の中でも、
水と空気を呼吸して、生きているものがいる…
そんなことを思った夜でした。
午前三時の合唱団
だいじな作業をしていて、
気づくと、午前三時。
そろそろ戸じまりをして寝なくっちゃ。
そう思って、ガラス窓に近づくと
遠くから、ほんとうに遠くから
かえるの合唱がきこえました。
この町は、どこもかしこも
家がぎっしりならんでいて、
そのあいだにぽつん、ぽつんと
田んぼや畑があるだけなのに、
それでもかれらは、しっかり生きて、
なかまと歌で交信しているようなのです。
かすかに、かすかに聞こえる、
歌声のかさなり。
けろけろ、でもなく、げろげろ、でもなく
「ワゴワゴワゴワゴ…」と、
どことなくやわらかい響きでした。
トケイソウのさがしもの。
ひとときの魔法
そして、太陽のそばの、黄金色のやさしいこと。


